アルカリ電池こぼれ話

【ニカド電池はこんな電池】

予備電源で使用しているニカド電池の正式名称は「密閉形ニッケル・カドミウム蓄電池」です。

特徴としては

  • 電解液に不燃性のアルカリ性水溶液を使用しており安全です
  • 過充電、過放電などの過酷使用条件に耐えます

正極材料には、水酸化ニッケル 負極材料には水酸化カドミウムを使用し、電解液として水酸化カリウムを使用しています。

充電終期に酸素・水素を発生します。この電池は内部で発生したガスを消失させる機構を持たせ密閉化しています。

化学反応式

ニカド電池の化学反応式:2NiOOH + 2H2O + Cd ⇌ 2Ni(OH)2 + Cd(OH)2

【ニカド電池の保存】

ニカド電池は-20℃〜+40℃の温度範囲で保存することが可能です。しかし、長時間の高温保存はセパレータやガスケットなどの材料の劣化に繋がります。3か月以上にわたる場合は、室温での保存をおすすめします。

※再度、充電すれば容量は戻ります。

ニカド電池の保存期間と残存容量のグラフ(0℃・20℃・45℃)

【トリクル充電方式】

火災報知器用予備電源で使用されているニカド電池には、一般的にトリクル充電方式が採用されています。

トリクルとは英語のtrickleで意味は、「したたる」「ちょろちょろ少しずつ流れる」です。

1/50~1/20It(容量の1/50~1/20)の微小電流で連続充電する方法です。

AC電源が通電している状態では、直流電源回路から負荷に給電されます。

停電時は、リレーなどで電池が負荷に接続されて給電します。

トリクル充電方式の回路図(AC100V・充電回路・直流電源・リレー・負荷)

【ニカド電池の歴史】

ニカド電池(ニッケル・カドミウム蓄電池)が発明されたのは、1899年のことです。

発明したのは、スウェーデンの科学者、ヴァルデマール・ユングナー(Waldemar Jungner)さん。当時すでに一般的だった鉛蓄電池に代わる、より耐久性が高く、エネルギー密度の高い電池として開発されました。

自火報用の電池として一般的に使用されだしたのは50年くらい前かららしいです。(ウチの古参社員情報)

ニカド電池は非常に頑丈で、大電流を流せるという強みがあったため、その後長年にわたり、ポータブル機器や産業用機器の電源として広く普及することとなりました。

【ニカド電池とニッケル水素電池】

ニカド電池とニッケル水素電池はどちらもアルカリ水溶液を電解液とするアルカリ電池です。どちらも正極材料にニッケル合金を使用しています。

一般タイプの電池で特徴を比較すると:

エネルギー密度 : ニカド電池 < ニッケル水素電池

電池スペースに制限がある場合や、容量を増やしたい場合にはニッケル水素電池が良いですね。

サイクル寿命 : ニカド電池 > ニッケル水素電池

ニカド電池の方がタフな電池というイメージです。特に高温環境で差がでますね。

環境への負荷 : ニカド電池 < ニッケル水素電池

やはりカドミウムを使っている点が厳しいですね。ただし、小形電池についてはJBRCさんが回収するスキームを構築しておるので、適正に処理されています。

弊社では、ニッケル水素電池についてもさまざまな評価試験を実施しております。